「ドローン」という言葉、聞いたことありますか?
首相官邸の屋上に落下して、放射性物質が入った缶がくくりつけられていた…というニュースや、イ ベントやお祭りでの飛行を禁止した…というニュースなど、日本の場合はどちらかというと悪いニュースとして登場してくることが多いので、「迷惑もの」「危 ない物」というイメージを持っている方も多いのではないかと思います。
確かに、使い方によってはとても危険なものにもなるのですが、実際にどういうものなのか、その「驚きの性能」と「地方にとっての可能性」を考えてみたいと思います。
そもそも「ドローン」というのは無人の航空機全般を指します。
昔からある模型飛行機やラジコンのヘリコプターもドローンの仲間になります。ですから、昔からあると言えばそうなのですが、ここ最近急に「ドローン」が注目されてきた背景には、高機能化・小型化による大幅な性能の向上と、低価格化による誰でも手軽に入手できるようになったことがあげられます。
例えば、ラジコンヘリコプター、小さいものなら 2,000円で購入できてしまいます…(^_^;)
ちゃんと本体もコントローラーもバッテリーも付いていて、子どもが遊ぶ分には十分。私なんか、ラジコンヘリコプターといえば何万円もして手の出ないもの…という印象がありましたが、技術と産業の進化で状況は大きく変わってしまっています。
ですが、ここ最近見られる一番のポイントは、これまでは愛好家の方々を中心に「航空機を飛ばすこと自体」が目的とされていたのに対し(操縦して楽しむということですね!)、最近は「飛ばして映像やデータを得る」ことが目的になってきているということなんです。d(^_^) ここがポイントです。
従来の "ラジコンヘリコプター" との違いは?
こんな表現も変ですが、ヘリコプターの操縦を楽しみたい人からすると、今のドローンは面白味に欠けるのではないかと思います。というのも、本当に簡単に操縦ができてしまうからです。
従来型のラジコンヘリは、コントローラーを職人技のように絶妙に操作することで空中で止めたり上昇させたりしたのですが、今のIT化されたドローンは、驚くことに何もしないでも空中に静止しています。
従来型のラジコンヘリは、コントローラーから手を放すとプロペラの回転が止まることになるのでヘリコプターは落ちますが、IT化されたドローンは自動運転で空中に止まっています。
ジャイロセンサーとGPSを搭載し、その計算結果をもとに自動的に自分を制御しているので、強い風が吹いていようとも空中にピタッ!と安定して止まっています。
空中で動かない機体を間近で見ると本当にビックリです。
さらに、コントローラーで「Go Home」と指示をすればGPSを頼りにスタート地点上空に自分で戻ってきますし、緯度経度を指定してあげるとその指示通りに自動的に飛行もします。
またドローンに搭載されているカメラは HD対応だったり、4K対応の超高画質。
そんなIT化・高機能化されたドローンが20万円以下で誰でも購入できるんですから驚くべき時代です。
まったくブレない! これが空撮映像!?
ドローンで撮影するとどんな映像になるのか。百聞は一見にしかず、ここ富士見町で撮影した映像をご覧になってみてください。
標高1,000m、高原の町を空から撮影してみました
https://youtu.be/gewIRpdHVok
ドローンは空中に浮いています。上空は強い風が吹いているのですが、まるでクレーンに固定したカメラで撮影したかのように、全然映像が揺れません…(@_@。
当然ドローンに GoPro などのカメラを固定しただけですと、ドローンの揺れに合わせて映像も揺れてしまうのですが、「スタビライザー」という揺れを自動的に抑える装置を装着するとことで全くブレのない映像になります。ドローン、カメラ、スタビライザーを個別に購入して組み合わせる方法もありますが、今回撮影したものは、スタビライザーとHDカメラが最初から搭載されているドローンによるもの。
つまり、購入さえすれば、誰でもこのような映像が撮影できる、というわけです♪ d(^_^)
ちなみに、このドローン、私が一緒に仕事をしているKD君が操縦&撮影。私はというと、リアルタイムに転送されてくる空撮映像を事務所のPCで見る係でした。
そう! 映像を記録するだけでなく、リアルタイムに別な場所に映像を転送する…なんていうこともできてしまうのです。「災害現場」と「災害対策本部」というイメージかしら。
本当に素敵です。
ところでKD君は、ドローンと各種センサーとを組み合わせて様々なデータをクラウドにアップして集計&解析、もしくはリモートから制御する…なんていうことを仕事にしています。ご興味ある方はご紹介しますのでご一報くださいね♪
(フルHDカメラ搭載モデル)
4Kカメラ搭載モデルは↓
空撮は(しばらくは)地方の新しい武器
ドローンの活用で、誰も見たことがない場所から撮影ができるということは、地方の情報発信やコンテンツ発掘にとって大変魅力的です。
空撮というと、これまでは高度が高いヘリコプターからのものが主でした。
ドローンでは20cm~100mというこれまでほとんど撮影されてこなかった高度や角度からの映像が可能になりますから、簡単に言うと、「これまで撮影されてこなかった視点からの映像が撮影できる」、新しい魅せ方が期待できるというわけですね♪d(^_^)
しかも、めちゃくちゃ高価でもなく、機材さえあれば誰にでも撮影できるということも大きな魅力。
さらに、ビルや住宅が入り組んだ都市部でドローンを飛ばすことの大変さに比べると、土地が広い地方の方が圧倒的にドローンを飛ばす環境が整っています。飛行に関する法整備やルール作りはこれから具体化されるかと思いますが、「誰にでも撮影できる」「地方の方が利用しやすい」「地方には撮影した場所がたくさん!」というメリットを考えると、地方がこれを利用しない手はありません。d(^_^)
特に、ゴルフ場・スキー場をはじめとする観光施設では、新しい魅せ方ができそうですね♪
すでに鹿児島県では、ドローンを利用したこんなに素敵な映像を撮影して公開しています。(^_^)/
※鹿児島県の映像にかける本気度は半端ではなく…(@_@、
その全貌は下記のスペシャルサイトをご覧ください。
「BIRD'S EYE VIEW OF KAGOSHIMA」
http://kagoshima-trip.jp/drone/
【こっそりコメント】
「ドローンで撮影」というだけで価値があるのは、あともう少しの期間だけ。
その先には、物語性だったり、作品の高クオリティという別な要素が必要になってきます。
鹿児島県の映像はすでに先に進んでいます。飛び抜けていますものね!
今ならまだ「撮影するだけで価値がある」という段階ですから、やるなら早くですね♪d(^_^)
IT化・高機能化によるドローンの可能性
ところで、ドローンは、単なる撮影だけでなく様々な分野で可能性が試されています。
カメラだけでなく、温度計や赤外線カメラなどのセンサーを搭載し、複雑なデータ収集に活用するというのもそのひとつ。測量や災害救助などでの利用が期待されています。
例えば、株式会社アンドー(長野県松本市)では、ドローンによる次世代測量技術を提供しています。
ドローンで撮影した写真をもとに 3Dデータを解析して測量データを生成することで、従来型の測量に比べると圧倒的に短時間で測量ができるばかりか、立ち入るのが難しい災害現場などでの測量でも活躍するのだそうです。
ドローンにカメラやセンサーを搭載し、データを解析&活用するというビジネスは、大手企業も続々と参入の意向を示しており、これからしばらくは注目の分野になりそうですね。
ソニー、ドローンで工事の進捗管理 コマツやセコムなど大企業相次ぎ参入(産経 2015.8.25)
http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/150824/ecn15082420540024-n1.html
さらに、Amazonの計画のように、ドローンを物流に活用しようという方向もあります。
国内では香川県高松市で、8キロ先の離島にドローンで荷物輸送しようというプロジェクトがスタートしています。下記でプロジェクトの概要や、運搬試験の様子が紹介されています。
KamomeAirプロジェクト(http://kamomeya-inc.com)
飛行区域や操縦技能などなど、解決しないといけない課題はたくさんありますが、地方を中心にこれからドローンの活用がどんどん進んでいくのではないかと思います。
(飛行区域を考えると、地方中心かもしれませんね!)
※国でも国家戦略特区の第二幕として「ドローン特区」による「地方創生」と「近未来技術実証」が進められています。くわしくは↓をご覧ください。
国家戦略特区第二幕
仙北市"ドローン特区"が切り拓く「未来の田舎」とは(現代ビジネス 2015.7.23)
かつて、20万円のパソコンが今現在のような社会に大きく変化させました。
ドローンでもこれから同じことが起こるような気がしてなりません。(@_@;)
地方にとってドローンの動向、要チェックですよ!
※ドローンの最新動向については↓のブログでも紹介されています♪ d(^_^)
http://www.borg.media/
※世界でのドローンの動きについては、↓の動画がわかりやすいと思います♪ (9/9 追記)
日本は世界から5年は遅れているそうです。
「ドローンビジネス離陸 日本、追撃の死角」(日経新聞・映像 2015.9.9)
http://www.nikkei.com/video/896807197002/?playlist=843087678002
次回をお楽しみに♪
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